皮膚科の病気は、命にかかわることは少ないため軽視しがちですが、「皮膚は全身を映す鏡」という言葉を耳にされたことがおありかと思います。
内臓をはじめとする体内の状態や血行動態、ホルモンバランス、ストレスの有無など、様々な要因が複雑に絡み合って、肌の症状として現れてくることが少なくないのです。
ですから、小さな皮膚疾患を検査しているうちに思わぬ内科的疾患が見つかるケースもあります。
皮膚の異常が見られたら迷わず、どんな些細なことでも結構ですので、お早めにご相談ください。
以下によくみられる皮膚疾患について、ご紹介いたします。
毛穴に皮脂がつまった面皰(コメド)、増殖したニキビ菌やたまった皮脂により炎症がおこり赤い丘疹や膿を伴う膿疱が見られます。
ひどくなると瘢痕(ニキビ痕)を残すこともあります。
ホルモンの影響が大きく、思春期に多くみられます。
それ以外でも睡眠不足やストレス、不摂生によっても発生します。
治療は、年齢や肌質により若干異なりますが、毛穴のつまりを取り除く外用剤や抗菌剤などのぬり薬、抗菌剤で行います。
痒みの強い、丸っぽい形をしたわずかに盛り上がったミミズ腫れが突然現れ、数分~24時間以内に自然に消えていく皮膚疾患をじんま疹と言います。
飲み薬と注射を併用する方法もあります。
水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビ(真菌)の一種が皮膚の角層に入り込んで発症する疾患です。
最もよく知られているものに「足白癬」がありますが、他の部位でも発症します。
公共の場を裸足で歩いたり、靴やスリッパ、バスマットなどを共有してうつるとされています。
アトピー性皮膚炎は、痒みを伴う、繰り返す慢性の疾患が特徴的な皮膚疾患です。
喘息のほか、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎のある家系に出やすい傾向があるのも、アトピー性皮膚炎の特徴です。
治療が長引くことの多い病気ですが、ストレスの少ない、ご自分に合った治療法を探していきましょう。
皮膚にできた小さい傷などから、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV・・・ヒトパピローマウイルス)というウイルスが感染して出来ます。
イボが小さいうちに治療を進めますと、患者様への負担が少なくてすみます。
治療は、主に液体窒素冷凍凝固法を行います。いぼが大きくなると治療回数が増えますので小さいうちに治療するのがお勧めです。
やけどの深さや程度、部位によりますが、応急処置として水道水を出しっぱなしにして速やかに冷やす事が大切です。
水ぶくれができた場合、水ぶくれは傷口を保護する役割があるので、ご自身で破かずに診察を受けてください。
診察を受けるまでの間は、冷たい水でしぼった濡れタオルや保冷剤をハンカチなどでくるんだものを当ててください。
皮膚が赤く盛り上がり、表面がかさぶたのようになって白い粉のような皮膚片がはがれ落ちるのが特徴的な疾患です。
髪の生え際、肘、膝、腰、爪などに表れやすく、全身に広がります。
半数以上でかゆみを伴います。治療は、ビタミンD3外用剤やステロイド外用剤のぬり薬で行います。
かゆみがある場合は抗アレルギー剤ののみ薬も使用します。
重症では、シクロスポリンやレチノイドの飲み薬で治療を行いますが、場合によっては総合病院や大学病院をご紹介させていただきます。
単純ヘルペスウイルスの感染により、皮膚や粘膜に小水疱やびらん(ただれ)が生じる疾患です。
免疫力が下がっている時にかかりやすくなります。
脂腺の多いところに生じる皮膚炎で、中高年の方がかかるとフケや痒みが出やすく憂うつな病気です。
患者様のライフスタイルにあわせた治療をご提案いたします。
幼いころにかかった水ぼうそうのウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が原因です。
罹患後、ウイルスは潜んでいますが、疲労やストレスなどにより免疫力が低下したとき、再活性化します。
治療は、ウイルスを抑える飲み薬を基本とし、痛みの強い場合には、鎮痛剤やビタミン剤の飲み薬で行います。
ほとんどの方が一度は経験があるような、一般的な皮膚疾患です。
皮膚についた物質により炎症を引き起こされることで赤い発疹や丘疹ができたり、かゆみがおこったりします。
原因は、金属、植物、化粧品、洗剤などさまざまです。